オーディオドラマ「空想詩本」オーディション台本

3役あります。オーディション台本は3役出てきますので、3役ともすべて収録してください。マリスとガクは一人の声優で演じていただく予定です。音のクオリティーですが、ある程度ノイズが入っていても問題ありません。スマートフォンでの録音でも大丈夫です。データ形式はwavかmp3で、ひとつのファイルでお願いします。ビットレート、モノラルorステレオかは特に指定はありません。

□物語
中里マリスとガク。二卵性の双子の姉弟。高校2年生の春休み、祖母が亡くなり、彼女らは祖母が管理していた東京にある「庭」を受け継ぐことになった。

□キャラクター ※役名下の【】内は、台詞「」前の役名表記です。

中里マリス【マリス】…17歳。好奇心旺盛。面倒見がいい。一人称は私(あたし)。イラストは下記。
中里ガク【ガク】…17歳。のんき。子供っぽい。イラストは下記。
案内人【案内人】…25歳くらいにみえる。長髪のきれいな女性。丁寧な口調。イラストはありません。

空想詩本

□台詞
※中里(なかざと)、M=モノローグ。
※冒頭にご自身の名前を入れてください。

マリスM「おばあちゃんが死んだ…、らしい。田舎のボロアパートに姉弟二人で暮らしていた私達の元に、そんなお話を持ってやってきた女性がいた。なんでもおばあちゃんの庭を相続することが出来るらしい。その話を受け入れた私達は、高校を辞め東京に移ることにした。貧乏だった私達は、荷物をまとめても、それぞれトランクひとつずつしかない。身軽だ。洋服とそれぞれの大事な宝物、私は昔から好きだった本をトランクに忍ばせた」
ガク「おばあちゃん、いたんだ。僕らに」
マリスM「弟のガクは嬉しそうだった。東京に着いた私達は、おばあちゃんの死を教えてくれた女性、案内人さんと駅で合流した。そしてたくさんの人のあいだをすり抜けタクシーに乗る。慣れないタクシー。しばらく揺られていると、とても広い森のような場所が見えてきた。そこがおばあちゃんの庭らしい」
ガク「うわーすごいなー。マリス、東京のど真ん中にこんなでかい庭持ってるなんて、もしかしておばあちゃんってお金持ちだったのかな?」
マリスM「ガクははしゃいでいる。まだまだ子供だね。この庭は気持ちいい風が吹き、人の存在を感じない」
ガク「金持ちかなー金持ちかなー」
マリス「なんでそんなにテンション上がってんのよ」
ガク「だって東京って土地高いんだろ? こんな広い庭なんだぜー。案内人さん、どのくらいの広さでしたっけ?」
案内人「東京ドーム二十四個分です」
ガク「よくわかんないけど、ひろいなー」
マリス「おばあちゃんってお金持ちなんですかね? 案内人さん」
案内人「どうなんでしょうね? 私では判断しかねますわ」
マリス「優しい微笑みを浮かべる案内人さん。髪の長いべっぴんなお姉さん。なぜか名前を教えてくれない」
案内人「それより…」
ガク「それより?」
案内人「この庭には、なんと。秘密があるのです」
ガク「ひみつ?」
案内人「ええ」
マリス「どんな秘密なんですか?」
案内人「それは後々。まずはお二人がお住まいになる屋敷へご案内いたしますわ」
ガク「屋敷だってー。なんかすげー」
マリスM「ここは木々が生い茂り、遠くに水の音が聞こえる。風が地面の草を撫で、優しく吹き抜けていく。嫌いじゃない。なんか、懐かしい。私の名前は中里マリス。十七歳の春に、おばあちゃんの庭を受け継いだ」

以上。